突発性難聴治療記 戦う?お耳さま、私の場合

2018年2月に発症。治療法が確立されていない突発性難聴。迷ってばかりの治療記です。

【発症2年4ヶ月目】突発性難聴(感音難聴)と有毛細胞と治療薬

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 映画や海外ドラマで「良いニュース、悪いニュース、どっちから聞きたい?」と言うセリフをよく耳にしますが、突発性難聴を発症してから耳にするニュースは、

「治療法は無い」

「お薬もない」

といった悪いニュースばかりでした。

突発性難聴を発症し、治療法を探してさまよう中、突きつけられる厳しい現実に、打ちのめされていましたよね。そんな中、ブログを始めてから初めての

「良いニュース!」です。

「FX-322」という感音難聴のお薬の開発が進んでいるそうです。 

 

えーーーーーーーーーーーーーっ!!!

ヽ(;▽;)ノいつの間に

スゴイスゴイスゴイ

米国の国立衛生研究所(NIH)の推計では、難聴の約90%は感音難聴に起因するものとしています。

難聴には大きく、外耳から内耳に音が伝わらなくなる伝音難聴と、内耳で音から変換された電気信号が脳にうまく伝わらなくなる感音難聴の2種類があり、突発性難聴は感音難聴になります。

突発性難聴とは(症状・原因・治療など)|ドクターズ・ファイル

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FX-322とはどんなお薬なのでしょうか?

先日コメント下さったみいさんの情報から、調べてみました。アステラス製薬のプレスリリースからです。

2019年07月17日の発表のものです。一部抜粋します⬇️

ニュース | アステラス製薬

アステラス製薬とFrequency社 再生のアプローチによる難聴を対象としたプログラムに関する 米国を除く全世界における独占的ライセンス契約締結
アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Frequency Therapeutics, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州、以下「Frequency社」)と、Frequency社が有する感音難聴を対象としたプログラムであるFX-322の開発および商業化に関し、米国を除く全世界における独占的ライセンス契約を締結しました。
 FX-322については、米国においてFrequency社による臨床第I/II相試験が終了しています。FX-322の単回鼓室内投与において重篤な有害事象はみられず、良好な忍容性が確認されました。また、複数の患者において聴覚機能の改善がみられました。Frequency社は、2019年第4四半期に前期第II相試験を開始する予定です。
 FX-322は低分子化合物を組み合わせた新薬候補物質で、内耳に存在する前駆細胞を有毛細胞へ分化させることにより、聴力の回復を促すことが期待されます。感音難聴は内耳の有毛細胞の損傷や欠落が主な原因で発症します。有毛細胞は一度障害を受けると自発的に再生することはできません。しかし、静止状態にある内耳の前駆細胞は有毛細胞に増殖・分化できる事がわかっています。

 

(*´Д`*)

 

そうなのかい❓本当なのかい❓喜んでいいのかい❓

「日本の夜明けは近いぜよ!!」

この場合世界の夜明けですね。

「時代の夜明けぜよ!!」

最近、録画していたJINを観たばかりだったので、つい‥。

こんなに諦めてばかりの日々だったのに、

(´;Д;`)涙が出そう。

アステラス製薬代表取締役副社長 経営戦略担当である岡村直樹は、「FX-322は再生の仕組みに注目したプログラムであり、本提携は、最先端の科学、技術を積極的に取り込み、患者さんの価値に変えていくというアステラス製薬の戦略に基づく取り組みです。私たちは今後、世界中の難聴患者さんのアンメットメディカルニーズに応える新たな治療法となり得るFX-322の開発を進めてまいります」と述べています。

喜んでいいのかもしれません。

「最先端の科学、技術」

から生み出される

「新たな治療法」

なのですね( T - T )ダバーッ

今まで治療法が無かったのですから。

 世界保健機関(WHO)によると、全世界で8億人以上の成人が、難聴であると推計されています。そして11億人もの世界の若者たち(12~35歳)が、携帯型音楽プレーヤーやスマートフォンなどによる、音響性難聴のリスクにさらされているとして、警鐘を鳴らしています。

現在、感音難聴に対して承認されている標準治療はありませんので「FX-322」が実用化されれば、減ることはない難聴者にとっての希望になりますね。

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しかし、

前駆細胞を有毛細胞へ分化???

って‥‥‥( - 。 -;前駆細胞って何なのでしょう❓

調べてみましょう。

前駆細胞とはWeblio国語辞典より

幹細胞から体細胞や生殖細胞への分化において、その中途段階にある細胞のこと。前駆細胞は、複数系統の細胞に分化可能な幹細胞よりも分化能力が限られており、特定の種類の細胞に分化することが既に決定づけられている。
幹細胞→前駆細胞→特定の種類の細胞に分化

となるようです。一般人の理解として、下図は参考になりそうだったのでお借りしました⬇️

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一般向け記事8 | 河本宏研究室 京都大学再生医科学研究所

「幹細胞」からいろいろな細胞ができてくるときに、初めのうちにつくられる細胞を前駆細胞といいます。また、細胞の性質が変わることを「分化」といいます。
 

‥‥有毛細胞に分化することが、既に決定づけられている前駆細胞を、有毛細胞に再生させるお薬ということなのですね。

 

失われたり損傷した有毛細胞は自然に回復することはなく、難聴は永続的な状態になるということ前提の、どうしても悲観しがちな日々なので、感音難聴治療が歩みを速めてくれて、呆然とするしかなかった状況が変わるかもしれないですね。

 

情報収集していない間に、こんなお薬の開発が進んでいたとは(´;Д;`)パチパチ

情報収集は怠るとダメですね汗

 

感音難聴と有毛細胞(おさらい)

感音難聴は、最も一般的な難聴の形態であり、内耳の有毛細胞への損傷、または音波を内耳から脳に変換する神経経路の問題から生じます。 これらの有毛細胞は、慢性的な騒音への曝露、老化、特定のウイルス感染、または耳に有毒な薬物への曝露によって失われる可能性があります。

人間の耳は、失われたり損傷した有毛細胞を自然に回復することはないため、難聴は永続的な状態になります。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/73/10/73_662/_pdf/-char/ja三列に並ぶ外有毛細胞の役割とその分子構造* 村越道生(鹿児島大学大学院理工学研究科)

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哺乳類の内耳には,内有毛細胞と外有毛細胞と呼ばれる二種類の感覚細胞が存在する。内有毛細胞はおよそ4,000個存在し,一列に整列している。一方で外有毛細胞は規則正しく三列に並んでいるのが特徴であり, そのためその数は12,000個におよぶ (図–2)⬆️

何万個にも及ぶ有毛細胞ですが、この⬆️有毛細胞が少しでも再生して、今よりも聴力を回復することが出来たなら、夢のようですね。色々と諦めていたことにも、またトライ出来るかもしれません。

(´ ・ ω ・ `)治療出来たらいいな‥。

次回に続きます。