突発性難聴治療記 戦う?お耳さま、私の場合

2018年2月に発症。治療法が確立されていない突発性難聴。迷ってばかりの治療記です。

【発症2年5ヶ月目】突発性難聴の治療 米Frequency社の感音難聴プログラム

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 アステラス製薬くすり相談センターに電話をしてみて「FX-322」について、期待していた程には情報が得られませんでした。

続報を待っていたら良いのですが‥‥
ほんで知ってどうすんの、と思うのですが!!

ほんの少しのことでも知りたいし‥‥今は色々便利になっていますので、そうや!直接見に行けばいいやんと思いつき、米Frequency社のサイトに見に行ってみることにしました。

 

ありました^ - ^

Frequency社のサイトです⬇️

Home – Frequency Therapeutics 

 

 現在米Frequency社では、新型コロナウィルス(COVID-19)が原因の、臨床試験、事業運営への影響が出ているようです。世界的にも米国は、発症者数、死者数共に多いので、影響は計り知れないですね。

広いアメリカ、ニュースを観ていると、ロックダウン命令下にある州、自宅待機の勧告に留まっている州など、州により対応が違いましたね。

Frequency本社のあるマサチューセッツ州では、バイオテクノロジー企業は不可欠であると見なされ、そのような命令からは、免除されているそうです。ですが、Frequency社の他の州の拠点では、研究活動が停止してしまい、主要な研究はマサチューセッツ州の本社に移行されているそうです。

新型コロナウィルス(COVID-19)の大流行下で、臨床施設が影響を受け、患者の登録が遅れたり、一時的に研究が停止したり、現在臨床試験に参加している患者には、引き続き協力を得られるのか、研究に影響を与える可能性があるだろう、と予測されていましたが、主な研究者からは、現在研究に登録されている患者は、登録されたままであり、サイトは引き続き、治験実施計画に従うことができる、と報告しています。

私達の日常生活でも、一時的に感染拡大が沈静化しても,特効薬やワクチンが出来ない限り,油断することはできませんし、新型コロナウィルス(COVID-19)との“戦い”は,長期戦になりそうですよね。

私も聞こえるようになるのなら何でもやりたい、と思いましたが、新型コロナウィルス(COVID-19)感染の脅威下で、しかも米国の状況では、臨床試験に参加していても、躊躇してやめたいと思ったかもしれません。

FX-322の臨床試験に協力されている患者さんは、引き続き参加されています。研究者の方々と臨床試験に参加されている方々には、感謝のエールを送りたいです。

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※日本語訳はグーグル翻訳を利用しています。(ぶつ切り的な翻訳の箇所も、私が編集して、解釈が変わってもいけませんので、そのまま掲載しています。ご容赦下さい。)

Frequency社について

PCAアプローチ⬇️

PCA Approach – Frequency Therapeutics

一部抜粋しました⬇️

前駆細胞を活性化するように設計された新しいクラスの治療法を開拓する
前駆細胞は幹細胞に似ていますが、特定の細胞タイプを作成するようにプログラムされています。 これらの細胞は活動的なままであり、いくつかの臓器や組織では再生しているが、他の臓器や組織では休眠している。
Frequencyは、マサチューセッツ工科大学のRobert S. Langer教授とハーバード大学医学部のJeffrey Karpによる研究に基づいて2014年に設立されました。 彼らの研究は、体の再生能力を活性化する方法に焦点を当て、腸内の継続的に活性化される前駆細胞が数日ごとにヒトの腸を再生するという洞察に基づいています。

この生物学的プロセスを研究して、彼らは新しい機能的な組織と細胞の成長を引き起こすシグナルを特定しました。 Langer教授とKarp教授は、類似の前駆細胞が存在していたが、耳内の蝸牛などの他の器官では不活性であることを認識し、小分子を使用してこれらの自然信号を適応させ、一時的に前駆細胞を活性化して局所的な聴覚応答を作成する方法を発見しました。

⬇️Frequency社HPのCGからです

https://vimeo.com/362277353

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私たちのアプローチの利点

今日、Frequencyは、体内にすでに存在する前駆細胞を活性化して健康な機能組織と臓器を作成するように設計された、新しいクラスの小分子治療法を開拓しています。

私たちの小分子の組み合わせは、前駆細胞が一時的に活性状態に入るように誘導し、それ自体を置き換えて、目的の細胞型を再生するように設計されています。

私たちのPCAアプローチは、細胞および遺伝子治療によって提示される多くの課題を回避し、再生医療の進化における変革のステップを表し、体内の組織標的部位にすでにある前駆細胞を一時的に再活性化する小分子治療薬を使用することによって複雑さを軽減すると考えています そして、特定の細胞型を作るために事前にプログラムされています。

適切な場所での前駆細胞の活性化

細胞を臓器内の適切な場所に送達および統合するという主要な課題を回避
標的組織の目的の場所で、身体自身の前駆細胞を活性化します
製造のしやすさ

エクスビボで生細胞を除去して成長させる必要性を排除
標準的な低分子製造方法を使用して処理を生成します
永久的な遺伝的変化を回避

遺伝子を変更する必要はありません
天然の遺伝子を一時的に活性化するように設計された小分子
私たちの治療法に対する免疫反応性を獲得するリスクを回避する

Frequency社のホームページを見てみると、感音難聴のプログラムや、多発性硬化症のプログラムが紹介されています。

Frequency社の感音難聴プログラム

感音難聴プログラム⬇️

Hearing Program – Frequency Therapeutics

抜粋します⬇️

感音難聴プログラム

感音難聴(SNHL)は、最も一般的な難聴の形態で、内耳の有毛細胞の損傷や、音波を内耳から脳に変換する神経経路の問題が原因です。 これらの有毛細胞は、慢性的な騒音への曝露、老化、特定のウイルス感染、または耳に有毒な薬物への曝露によって失われる可能性があります。

人間の耳は、失われたり損傷した有毛細胞を自然に回復することはないため、難聴は永続的な状態になります。 今日、感音難聴(SNHL)に対する※FDA承認の治療オプションはありません。

FDA-アメリカ食品医薬品局アメリカ合衆国保健福祉省配下の政府機関。連邦食品・医薬品・化粧品法を根拠とし、医療品規制、食の安全を責務とする←Wikipediaより

FX-322は、蝸牛にすでに存在する前駆細胞の活性化を通じて有毛細胞を再生することにより、感音難聴(SNHL)の根本的な原因を治療するように設計されています。
フェーズ1/2の研究で、FX-322は、音と言葉の理解の明瞭さを含む、難聴の主要な測定において統計的に有意で臨床的に意味のある改善を示しました。 さらに、FX-322は忍容性が良好であり、深刻な悪影響はありませんでした。

※フェーズ2(第2相試験)

※忍容性‥医薬品には、多かれ少なかれ、有害作用(副作用)がつきものであるという前提にたって使われる用語で、薬物の服用によって、有害作用(副作用)が発生したとしても被験者が十分耐えられる程度であれば、「忍容性が高い(良い)薬物」となり、逆に耐えられない程のひどい有害作用が発生する場合は、「忍容性が低い薬物」となる。

FX-322は、標準的な社内手順を使用して、耳、鼻、喉の専門家によって局所的に投与されます。

耳鼻咽喉科の医師により、鼓室内注射でFX-322を中耳腔に投与するのですね。米国の突発性難聴治療ガイドラインで、唯一推奨されている治療法は、鼓室内投与だけになります。

 

感音難聴プログラムの中にCGで、有毛細胞が破損したあと再生している様子を紹介しています⬇️

https://vimeo.com/362824745

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⬆️内耳、蝸牛の位置はあの辺りなんですね。蝸牛は本当に小さいですね( ´ Д ` )整然と並ぶ有毛細胞‥

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⬆️有毛細胞が破損するシーンはCGながら、観ていて切なかったです。FX-322の薬剤が中耳腔に浸透して行きます。

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参考です⬆️

【発症18日目】鼓室内ステロイド注射って‥? - 突発性難聴治療記 戦う?お耳さま、私の場合

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⬆️蝸牛内に薬剤が浸透して行き、再生して行く有毛細胞

( ̄◇ ̄;)ゎーーーーー

世界保健機関(WHO)の推定によると、世界中で約8億人の成人が難聴を抱えており、今日では10億人以上の若者が難聴のリスクを抱えていると報告されています。 米国国立衛生研究所によると、難聴の人の約90%が感音難聴の影響を受けています。 現代社会では騒音への曝露を避けることは困難であり、私たちの推定に基づくと、診断された数と診断されていない数に基づいて、米国だけで5900万人がSNHLになる可能性があると考えています。
感音難聴(SNHL)に苦しんでいる個人には、さらに直接的および間接的な影響もあります。 聴覚障害は、社会的相互作用に参加する個人の能力に大きな影響を与える可能性があり、孤独感、孤立感、欲求不満につながる可能性があります。 未治療の難聴は、認知症うつ病とも関連しています。

騒音性難聴、老人性難聴、外傷性音響難聴や、私のような突発性難聴患者でも、発症して2年5ヶ月経っていても、感音難聴で、有毛細胞が原因であれば、治療出来るようですね。

Frequency社の感音難聴プログラムの説明や、Frequency社の今後の事業展望、財務状況の報告の中で、世界の感音難聴人口の増減と、米国の感音難聴人口についても触れています。

米国は、イラク戦争アフガニスタン紛争から帰って来た軍人の12%が、重度の難聴といわれ、社会問題となりました。将来の難聴人口の増加に備えるだけでなく、過去に起こった事例も含めて、国として難聴の治療と予防は急がねばならない課題となり、それから研究も盛んに進められた背景があります。

 

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休眠している前駆細胞を活性化

最初の「PCAアプローチ」で、前駆細胞は、体の部位により、再生していたり、臓器や組織によっては休眠しているという説明がありましたね。数日で再生される腸の細胞とは違い、内耳の有毛細胞の前駆細胞は休眠している部位に入るんですね。

有毛細胞も壊れたら再生するように、ヒトも進化すればいいのにと、そんなことを考えてしまいます。

現代人には必要なくて、しっぽや耳を動かす筋肉は退化しましたものね‥‥進化してないのでボヤいても仕方ないですが‥‥でも今はFX-322のニュースが聞けたので、気持ちはほんの少し上がりました⤴️よね❓

 

フェーズ2(第2相試験)では、音と言葉の理解の明瞭さを含む、難聴の主要な測定において統計的に有意で臨床的に意味のある改善を示し、忍容性が良好であり、深刻な悪影響はありません。という報告でした。

このまま無事に第3相試験に進んで欲しいですね。

 

またまた長くなってしまいましたので次回に続きます‥。